2013-01-01から1年間の記事一覧

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(16)

しばらく間があくうちに、暑さにうだっていたウィーンの夏はどこの別世界かという季節が到来して、ゴキブリさえも凍える寒さでは記憶もだいぶあやふやですが、ようやく最終回にたどり着きました。 DAY6-2:豪勢な建物において享受するということ(2) オード…

第17回文学フリマに出店します。

11月4日、東京流通センターで開催される第17回文学フリマに出店します。スペースはA-31、サークル名はCoal Biters、新刊は「虫とかかわる」シリーズ(になる予定)の第1作「予告」です。念のために注意を喚起しておきますと、本作は全編、例の口にすること…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(15)

DAY6-1:インフラ的ウィーン探訪 ドナウ川へ行く。 「ドナウ川へ行く」は同行者のリクエストで、当初はウィーンから鉄道を使ってブダペストまで遠出して、そこで堪能するつもりだったのだが、旅行計画の企画も佳境に入った6月頭に洪水のニュースがあったので…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(14)

諸事情により間が空いてしまいましたが、復活しました。あと数回、お付き合いください。 DAY5-3:豪勢な建物において享受するということ(1) ウィーンと言えば音楽の都だが、音楽の季節は6月末で終わってしまい、7月は音楽的には夏休みなのだった。「…という…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(13)

DA5-2:熱中症的ウィーンへの帰還 リンク歩き後半戦。 まだ午後も早いので、昨日挫折したリンク歩きの続きをやりつつ王宮に行くことに。ドナウ運河を上にした地図で左上、ショッテンリンク駅で下車して地上に上がる。早くも暑い。運河の横には例によって立派…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(12)

DAY5-1:熱中症的ウィーンからの逃亡 シェーンブルンは丘の上まで登るべきこと。 冷房のないホテルの部屋にも、さすがに扇風機は備え付けられていたので、一晩中首振りさせていたところ、朝目が覚めたらあっさり事切れていた。連続運転しすぎてへたばったらし…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(11)

DAY4:熱中症的ウィーン プラハ本駅→ウィーン・マイドリンク。 かくして、プラハの滞在期間は終わり、ウィーンへの移動日となる。いろいろと観光名所を満喫したけれども、そちらを優先しすぎてカフェで休憩とスーパーで買い物が思うに任せなかったのは心残り…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(10)

DAY3:丘の上のプラハ 城へ。 翌日はいよいよ登城である。旅行社の現地係員の人は、トラム等を活用した疲れにくい行き方を懇切丁寧に教えてくれたのだが、母のリクエストは昔の入城ルートで行きたい、ということなのだった。 まずは旧市街の道をぐるぐる。ヘ…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(9)

DAY2-7:フィギュア都市プラハーー動く人形たち からくり時計義務鑑賞。 かくして、カレル橋の上で多幸症的な東アジア系観光客の一家に呼び止められて写真を撮ったり、物乞いが何故かほとんどもれなく抱きかかえている、静かで大人しい毛の長い大きな犬たちを…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(8)

DAY2-6:フィギュア都市プラハーー観光名所のアイドルたち 承前。つまり、プラハの魅力であり特徴でもあるものは、都市の表面に今なお見て取ることのできるさまざまな時代、さまざまな様式の痕跡であり、それらの唐突な出会いにあるといっていい。例えば、(…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(7)

DAY2-5:庭園都市プラハ 午後は川を渡って、マラー・ストラナ地区へ。前回プラハ旅行で考えなしに道順のショートカットを試みて、想定外のところに出てしまい、一時間ばかりうろうろしていた因縁の地である。今回は迷わず行きつけるだろうか。 ヴルトボヴスカ…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(6)

DAY2-4:フィギュア都市プラハ――都市に棲息する石や金属のいきものたち さて、人の少なく空気の美味しいところからプラハ城を思うさま遠望する、という本日最初のミッションを無事達成し、歯車たちは山を下る。ただし、地元民らしき人の背中を追っていったら…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(5)

DAY2-3:ヴィシェフラド!さんかく!!! ヴィシェフラドは三角形をしている訳ではありません。単に、ヴィシェフラドがかっこよかったのです。 ヴィシェフラドが本格的な要塞だった件について。 承前。角にキュビスム建築のある道を登ってゆく。私の母校は結…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(4)

ローラン・ビネの『HHhH』を読了。『HHhH』は、ハイドリヒ暗殺を目的として立案・実行された「類人猿作戦」の実行者に魅せられた「僕」が大量の史料や事件を題材にした先行作品をリサーチしながら、何とか虚構を混ぜ込まないでこの事件を書き上げようと苦闘…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(3)

DAY2-1:都市のまじりあう時代について。 睡魔との戦いに敗れて1/4観光日程度を浪費したといえども、プラハ滞在はさらに丸2日ある。世界に冠たる観光名所=プラハ城をハイライトとするなら、初日は遠くから徐々に城に接近して感興を高めるのはどうであろう。…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(2)

DAY1:NRT→VIE→PRG 案外スケジュールが自由にならない仕事の間に無理矢理旅行を突っ込んだので、直前の一週間は残業続きであった。さらに、航空券ホテルつきのツアーといえども、成田を出国してから自己責任で現地にたどり着かなければならないのだから、方向…

2013夏プラハ+ウィーン観光名所うすかわ編(1)

まえせつ。 いかにして行き先は決まったのか。 6月末から1週間ばかり、プラハとウィーンに旅行した。母と娘の二人旅である。「親子で仲がよろしくて」と言われる。「母娘だと気楽でいいでしょ」とも言われる。確かに気楽ではあるが、我が親子は別に仲がよろ…

非実在の存在をめぐる都市での冒険(2)

スカイツリーの根元を探して。(2013年4月7日) 嵐の夜から一夜明けて、上々天気の浅草界隈を徘徊した。 桜はすでに散りかかり、スカイツリーだけが銀色に光る。 前日の大雨で隅田川の水が溢れたらしく、周囲は潮のかほりがもの凄かった。 隅田公園の一帯は…

非実在の存在をめぐる都市での冒険(1)

たいそうお久しぶりなブログ更新です。空白の一年の間に無事修論を仕上げて、公然たる二足の草鞋生活からは一時脱却しました。とは言っても引き続き週末創作者、日曜研究者であることには変わりないのですが。しかし、〆切が無い世界がかくも魅力的であると…