2011-01-01から1年間の記事一覧

2011冬大阪京都ドタバタ行(1)

01:タイトルの由来あるいは御堂筋公衆無線LAN捜索ミッション。 ここ最近でドタバタでない旅行があったら言ってみろ、と自分の首を絞め上げて問いつめたい気もしますが、今回はいつもに輪をかけてドタバタでした。そもそも東京脱出をはかったのは、わしわしと…

フリー・ペーパー「rond-point」に寄稿しました。

ひょんなことから、フリー・ペーパー「rond-point」の第1号に寄稿させていただくことになりました。 打ち寄せられた漂着物についての幾つかのことども――ネビル・シュート『渚にて』における死と歴史と記憶を中心に(マキノヤヨイ名義) 特集=〈物語ること/…

ヴェーセン名古屋公演あるいは愛知県日帰り紀行(2)

ヴェーセン@カフェ・カレドニア(愛知県春日井市) 承前。スウェーデンのトラッド・バンド、ヴェーセンを追っかけて愛知県にやって来たところ。寄り道も済んだので、一路、公演会場のある春日井市に向かう。 会場のホームページには「駅から車で5分」という…

ヴェーセン名古屋公演あるいは愛知県日帰り紀行(1)

我がワナオブ最愛のバンド、ヴェーセンが二年以上ぶりに来日したので、雨が降ろうが槍が降ろうがの追っかけモードに突入した。愛知県は春日井市のカフェで40席限定の公演があるというので、腹痛週間も何のその、運動不足の足腰でよろよろしながら出掛けてい…

ネビル・シュート「渚にて」を中心とした問題系

ここしばらく、ネビル・シュートの「渚にて」を中心に据えて、論考めいた短文を書いていた。そこで扱った問題系への補助線となる文献を備忘としてあげておく。 ネビル・シュート「渚にて」とその関連 渚にて―人類最後の日 (創元SF文庫)作者: ネビル・シュー…

2011夏山陰日焼け旅行(3)

intermission:がっかり遺産に関するささやかな考察 仕事修羅場の山で遭難しかかって妄想的な幻に救いを求めたりしているうちに、九月も半分過ぎてしまった。私の無印の温度計が正しいなら、この期に及んでも室内は摂氏30度あるのだけれど。ともあれ一月以上…

フェアウェルを言うために。

はりぽたを見た。 * ということで、真面目な合宿感想は脇に置きます。今回は妄想炸裂です。我が本領発揮。他人の嗜好に寛大な気持ちになれない人には、まだ引き返すチャンスがありますよ? さて。 ハリー・ポッターと死の秘宝II 実家に帰って盆の行事に参加…

2011夏山陰日焼け旅行(2)

DAY2-2:石見・銀山・世界遺産 (承前) 二両編成の快速アクアライナーで集合地大田市駅へ。列車はワンマンカーで、路線バスのような運賃表がついており、ドアは下りる乗客がボタンを押さないと開かず、時にはそもそも開かない。海沿いを走ること約30分で大田…

2011夏山陰日焼け旅行(1)

例によって仕事修羅場の夏である。我が家は冷房をつけない主義なので、梅雨が明けると職場が何だか快適な気分になってくるのである。多分騙されているのだと思う。今夏の節電で、大分化けの皮が剥がれてきたような気もする。とはいえ、夏が仕事の山であるこ…

変態と格好よさの間。

バレエの神髄@文京シビックホール 職場がサマータイムを導入したので、夏は劇場も博物館も行き放題だぜひゃっほう、しかもカフェで一休みのおまけまでつくぞと勢いごんでいたものの、蓋を開ければアフターファイブが楽しみな時を狙いすましたように打ち合わ…

第12回文学フリマに出店します。

何年ぶりか、にわかには思い出せないほど久しぶりに同人活動を再開します。 まずは来る6月12日、大田区産業プラザPiOで開催される第12回文学フリマに出店します。スペースはD-12、サークル名はCoal Biters、新刊は過去数年にわたって終電一本前の電車で書き…

故郷からの10000光年、安全への100,000年

100,000年後の安全@ヒューマントラストシネマ有楽町 映画の紹介を見て、数年前、科学雑誌で放射性廃棄物の地層処理についての記事を横目で眺め、眉に唾つけたことを思い出したので見に行くことにした。実は、その時は眉に唾つけるのに忙しすぎて、記事をき…

液状化の東京湾岸を(ほんのちょっとだけ)歩く。

液状化の被害が伝えられる浦安市の新市街には、親戚が住んでいる。親戚の墓もある。彼岸に墓参りに行って来た身内によれば「親戚の家に液状化の被害はなく、公営墓地も無事息災であった。バスからは液状化の爪痕が望まれたが、時間も大分経ったし、もう片付…

鉄道の止まった東京を歩く。

職場は高層ビルなので、東北の巨大地震でゆらゆら揺れて、余震のたびにもゆらゆら揺れて、午後は全く仕事にならなかった。同僚のうちには災害対策本部のようなところに詰める人もあったが、私は職場に居ても役立たずなので、定時が過ぎたらとっとと帰ること…

王様を待ち続けるのも大変だが、歯車の雑談にも限りがない(3)

「英国王のスピーチ」を見てきたという話でえんえんと書いています。そろそろ本題。 * 承前。 だから、国王に求められていたのは、単に間違いなくスピーチの原稿を読むことだった。国王として義務感とか臣民に対する献身とか、誇りとか、内心いかに国王たる…

王様を待ち続けるのも大変だが、歯車の雑談にも限りがない(2)

ええと、全然関係ないことを書き散らしていますが、「英国王のスピーチ」を見てきたというお話です。承前。 * つまり、私が一連のプロムス最終夜の映像から得た教訓は次のとおりであった。 ブリテンの愛国心の発露を侮るな。 BBCの運営愛を侮るな。 とりあ…

王様を待ち続けるのも大変だが、歯車の雑談にも限りがない(1)

「英国王のスピーチ」を見て来た。 * 政権が変わっても「クール・ジャパン」という言葉は居座り続けていて、今や我が国の経済産業省にはクール・ジャパン室なる、ちょっと待てなネーミングの部署まであるのだが、その元ネタは、イギリスの「クール・ブリタ…

はぐるま、渋谷のスクランブル交差点と和解する。

「ソウル・キッチン」@シネマライズ(2011年1月22日) 職場で新聞記事をチェックしていると、金曜日の夕刊は各紙が週末公開の映画の特集をしているので、同じ映画の同じ場面が何度も出て来る。さすがに五月蠅くなって監督の名前を見たら、ファティ・アキン…