2011冬大阪京都ドタバタ行(1)

01:タイトルの由来あるいは御堂筋公衆無線LAN捜索ミッション。

ここ最近でドタバタでない旅行があったら言ってみろ、と自分の首を絞め上げて問いつめたい気もしますが、今回はいつもに輪をかけてドタバタでした。そもそも東京脱出をはかったのは、わしわしと飛んで来る雑事を離れ、旅先で静かに修論の構想について沈思黙考したいという趣旨だったのに、大学院のゼミの課題が前夜のうちに終わらず、当日三時間出発を遅らせたもののまだ片付かず、極度のストレスに下り気味の腹と未完の課題を抱えて新幹線に飛び乗ることに。車掌さんが「みなさまご覧ください。右手に富士山が見えます」みなさま「おおー」などの微笑ましいやり取りのころには、何か必死にメモを書き殴り、その後は力尽きて爆睡して、新大阪についた時にもノートは依然として白いまま。最寄のカフェで無線LANつないでとっととおさらばしようと思ったのに。
ということで、「何で大阪駅と梅田駅が向かい合わせに立ってるの」といった大阪初心者的感慨に浸る間もなく、無線LANにつながるカフェを求めて御堂筋をひたすら前進。中之島に渡り、ああこれが噂の大阪市庁舎かなどと思う間もなく対岸にたどり着き、タリーズはいねがースタバはいねがーとそれらしき看板を探す日々。結局タリーズを見つけて這入りこみ、三時間ばかり居座る羽目に。一体何のために大阪にきたのか判らん、と神か悪魔を呪いつつ、就職面接待ちの女子大生に囲まれて何とか課題をやっつける。「筆記試験で日本の政党の名前を3つ書けと言われたけど、二つしか判らんかったー」「うん。自民党民主党」「あと野党って書いた」「あ、野党野党」――だそうですよ。彼女らが面接会場に向かってほどなく私も任務完了。メモをゼミのメーリングリストに送りつけて、あとは野となれ山となれ。この時点ですでに午後三時。うかうかしていると美術館が閉まってしまう。走れはぐるま。

02:中之島文化のかほり的再開発地帯。

大阪には数年前、兵庫県へ日帰りした帰途に立ち寄って、当時大阪在住だった弟にお好み焼か何かおごってもらったことがある程度の縁。しかし、前大阪府知事vs前大阪市長による選挙対決も記憶に新しいところであり、選挙報道を見る限りえらく衰退荒廃しているとの話だが、実際はどうなのか自分で確認してみようと思い立つ。弟には、中之島あたりは再開発中の東京と一緒、ディープな大阪がその辺にごろごろしている訳ではない、と釘を刺されたものの、キタとかミナミとか聞いても地図が浮かばないというのも貧しい人生だと思ったりもして。食べ物情報しか載っていない使えないガイドブックで何とか地図を覚え、大阪城はじめ観光名所を踏破する計画を立てていたのに、現実には次第に夕方じみて来る曇り空の下を芸もなく、駅に向かって引き返すばかり。大通りの角のビルの地下に私鉄の駅が入っているのを見てたまげ、大きなビルが軒並み「住友ビル」であることにそこはかとない異国情緒を感じ、とは言うものの川縁を走る高速道路は首都高の眺めと変わらんとも思う。そして言われた通り再開発中の中之島では、建物があっちこっちに顔をばらばらに向けて立っているようで、どうにも落ち着かない。そして地上げ屋の横暴に抗しているのか、現代建築ーな国立国際美術館の前にはこんなぼろい(失礼)薬屋が頑張っていた。続く。