2009秋ベルリン+@旅行記(2)

coalbiters2009-10-02

@はアルファじゃない、とか言わないように。

DAY1:NRT→CPH→TXL

初日はひたすら雲の上を飛んで移動していたので、あんまり書くことがない。コペンハーゲンのセキュリティ・チェックで係員に貴重品袋の存在を失念されて、ドイツの土を踏む前にあやうく財産の半分を失いかけたくらい。
スカンジナビア系は、近所のIKEAと言い、今回使ったSASと言い、「基本的には自分で何とかするように、本当に困ったら手を貸すから」というスタンスがはっきりしているあたりが気に入っているのだが、SASの本拠たるカストルップ空港ではその精神が徹底されていて、搭乗のアナウンスは一切なし。アナウンスはしないから自分で見ろと掲示板に書いてある。乗換え案内はショッピングモールの裏。そうやって合理化した余力をデザインとバリアフリーに注ぎ込むことにしたらしい。寄木細工の床の上を結構なスピードで、空の車椅子を引っ張った電動カートが突っ走って行く。
 
1時間弱の飛行の後、到着したベルリンのテーゲル空港は冷戦時代の遺物だけに小さく、ぼろく、煙草くさかった。バス待合所でみんなスパスパ吸っている。ヨーロッパって禁煙じゃなかったのか。空港から中央駅まではバスで20分ほど。ずっと市中を走っているのだけれども、街灯の間隔が長く、樹木も多く、かつ歩行者があまりいないので、東京の人口密度に慣れた目にはうら寂しい。中央駅あたりのS-Bahnは長期運休中で、つまり山手線が上野から品川まで止まっているので代わりに京浜東北線を増発しますといった状態なのだが、増発と言っても30分に1本程度なのだった。それでも朝7時代前半の通勤列車ほどにも混まない。旅行前、ネット上にベルリンの治安は、夜の電車は、ネオナチ風の兄ちゃんが、などとあるのを見てひそかにびくついていたのだが、「治安が悪い」というのは、この場合、「柄が悪い」というより「人口密度が低いので寂しくて何か怖い」ことの言い換えなのじゃないかと思い始めた。

2009年9月21日の旅程。

歯車の旅の目的。及びこの旅行記に求めても詮無い情報について。

ところで、歯車はこの旅行に以下の目的を設定した。

  • リベスキント設計のユダヤ博物館に行くこと。
  • ベルリンの壁の跡をたどること。
  • ベルリンの大きな書店でツェランの全集または全詩集の類を買うこと。
  • アンハルター駅の跡を見ること。
  • 日帰りでプラハに行くこと。
  • 日帰りでポーランドに行くこと。
  • 同じくバルト海に行くこと。
  • ペルガモンほかの博物館を見ること。
  • 核シェルターに入ること。
  • ひたすら街歩きすること。特に旧東ベルリン。
  • 機内持ち込み手荷物だけで済ますこと。

一方、以下の事項については歯車は実行しないことにした。従って、この旅行記にこれらの情報を期待しても無駄である。

  • 強制収容所へ行くこと。気力体力に確証が持てないので、今回は止める。
  • まっとうなレストランにおけるまっとうな食事。同じくまっとうなカフェにおけるまっとうな休息。
  • 平均的観光客が行うべきまっとうな買物。
  • 同じく平均的観光客が行くべきまっとうな名所の観光。
  • 湯船のある風呂での入浴。
  • 旅先でのふれあい。

以下次号。