旅行記、女装、ヴァイキング(備忘録)

講談社現代新書を読んでいたら、新刊案内に関心を引く内容を見つけたので、メモしておく。

イブン・ジュバイルの旅行記 (講談社学術文庫)

イブン・ジュバイルの旅行記 (講談社学術文庫)

後者は「周恩来も女装した」と煽っていて、一体どんなご乱心とか思ったのだが、どうやら学校演劇でのことらしい。

その他、ついでに思い出した本も。
ヴァリャーギ ビザンツの北欧人親衛隊

ヴァリャーギ ビザンツの北欧人親衛隊

密林の紹介には、「本書は、一般読者を対象としてヴェーリングとその冒険について平明に記述したものである」とあるのだが、一般読者はそもそも「ヴェーリング」と言われても何のことか判らないのではなかろーか。「ビザンチン帝国に親衛隊として仕えたヴァイキング」とか噛み砕けばいいのに。ともあれ、品切れになったりする前にゲットしないと。
なお、同じ著者のこちらも、微妙にとんでも臭いタイトルとカヴァーデザインに反して、一般向けにヴァイキングの活動の一例を紹介するものとしては手堅い良書。イングヴァルの東方遠征を扱っていて、原著及び訳者による参考文献表、ウプサラ地方のイングヴァル石碑の一覧(所在地、碑文、写真つき)など付録も充実している。
悲劇のヴァイキング遠征―東方探検家イングヴァールの足跡 1036‐1041

悲劇のヴァイキング遠征―東方探検家イングヴァールの足跡 1036‐1041

そういえば「ヘイムスクリングラ」の和訳も進んでいるのだった。谷口幸男訳。
ヘイムスクリングラ 北欧王朝史(一)(1000点世界文学大系 北欧篇3-1)

ヘイムスクリングラ 北欧王朝史(一)(1000点世界文学大系 北欧篇3-1)

ヘイムスクリングラ 北欧王朝史(二)(1000点世界文学大系 北欧篇3-2) (1000点世界文学大系 北欧篇 3-2)

ヘイムスクリングラ 北欧王朝史(二)(1000点世界文学大系 北欧篇3-2) (1000点世界文学大系 北欧篇 3-2)

ついでに、サクソ・グラマティクスの「ゲスタ・ダノルム」の続きも出してくれたらこの上なしだが。東海大学出版会から出ているのは神話伝説の時代までしか扱っていないので。

で、冒頭の講談社新書の無駄に巨大な帯に怒り狂っている。こういう商品をデザインした奴は、自分では本を買いも読みも所有もしたことのない輩に違いない。こんなにでかかったら、読了した後に二つ折りして栞がわりに本文中に突っ込んでおくことができないじゃないか。かと言って、帯をかけたまま本棚に並べると出し入れの際に引っかかるんだよ。捨てちまえ、という意見もあるが、帯にカヴァーにはない図版があったり(しかも出典情報つき)すると、それを見捨てるのも業腹だ。大体、幅広の帯の全面にでかでかみっしり書き込まないと本の内容を紹介できないというのは、ビジュアル的に下品だし、出版社の才覚としてもどうかと思うので、買い手としては大いに改善を求めたい。まったく、見てくれさえ昨今の流行っぽくすれば売れるとでも読者を舐めているのだろうか。