はぐるま、しゅうしょうろうばいする。

何と、梅雨が明けてしまったぞ!

はぐるま、ニンジン酒に酔っぱらう。

ニンジン酒は、「話の中でぐらい、世界よ滅びろ」というマキノの呪いもむなしく、世界は滅びないで人ばかり死ぬ話だった。ううう。美味ではあったけれど、しんどい。感想は消化しきった頃にいずれ。
内分泌系大荒れ週間に突入したので、週末は選挙に出掛けた以外は、半分気絶しながら本を読んでいた。

シカスタ―アルゴ座のカノープス (フィクションの楽しみ)

シカスタ―アルゴ座のカノープス (フィクションの楽しみ)

こんなのとか。目の前のニンジンが見事な毒ニンジンだったので、毒抜きである。こちらは、どこのグノーシスみたいなネタを愚直にSF的設定に移してみましたといった内容が阿呆らしさの極みで心が和む。細部の詰めも甘々で、しかしそれをあんまり気にしているようにも見えない――何で異星の連中が第二次世界大戦を当然のように「20世紀」とか言っているんだろう、とか。お国の暦はどうなった? 皇紀とは言わないが、イスラム暦はそもそもスルーなのか。今のところ、「異星人の文書を西暦20世紀の英語に翻訳しました」という設定でもなさそうだし。だから要するに、そもそもSFではなく、SFの振りして思考実験してみました、という作品なのだが、多分設定とがっぷり四つに組んでいる訳ではないので、無邪気に相当酷い話を平気でやっている。ある惑星を話し手達の目的にかなうようにするために、どこかの星からある種族を植民させて、しかしどうやらその種族が進化にもはや何らの寄与もできないと見極めるや、嫌がるのもかまわず収容して次の植民地の開拓に送り込む、とか。一体どこの国の民族政策だ。別の(話の通じる)大国と話をつけて惑星を二分して仲良く植民化したら、ならず者国家のスパイに油揚げを攫われた、とか。植民地の知的生命のレベルが下がってきたので遺伝学的補強を行う、とか。要するに自分たちの優秀な遺伝子を現地人の女にはらませる、とか。知性って精子の中で膝小僧抱えてるホムンクルスなのか! それとも最後に大逆転するんだろうか。
今のところ、設定の粗さの間にのみ存在しうる、ある種のプロパガンダ的思考の展開としては面白い。ぎゃお。