「ヴェーセン・ストリート」とその他のことども。

水曜日の深夜、寝ようとしたらケータイに弟からのメールが入っていた。「パソコンのメルアドにメールを送ったので早く見やがれと親が怒っている」とのこと。翌朝電話してみると、手伝って欲しいことがあるので今度の土曜日に来てくれないか」と言う。何を手伝って欲しいのか、どの程度手伝ってほしいのか、まことに歯切れが悪い。そもそも、必要があれば直接ケータイに電話してくる筈なので、どうせろくでもない仕事を押しつけるのだろうと覚悟を決めつつ帰宅。案の定、諸般の事情により大叔母の部屋を移動するので、たんすを3つばかり行って来いし、押し入れの中身をチェンジする羽目になった。いくら父と二人だって、一日じゃ終わらんがな。とりあえず大物だけは片付けて来たが、へなちょこオフィスワーカーの悲しさ、全身筋肉痛である。明日からの一週間、果たして保つだろうか。
と言いながらも、ほいほい労働にいそしんで来たのは、

「ヴェーセン・ストリート」本日発売!!

だからなのだった。午前中をドラえもん状態(=押し入れの入れ替え)で過ごした後、渋谷にすっ飛んで行って、タワレコで無事ゲット。やらなきゃならんことがあるのでとりあえず1回だけ、と思って聴き始めたら立ち上がれなくなってしまった。うう、日曜日に発売なんて勿体なさすぎる。明日一日中聴けないじゃないか。こないだの来日(こことかこことか)のライブの音と比べればCDの音は当然大分落ちている筈だけど、そんなことあろう訳がない!と思ってしまうすばらしさ。カッコいいし、隙がないし、音は透徹して強靭でとても豊潤(芳醇、でもいいかもという気がしてきた。音のアクアビットみたいなものか? 腹にずどんと来るあたりとか(笑))。正攻法の有無を言わさぬカッコよさと盤石の安定性を併せ持つウーロフの曲とニッケルハルパ、やっぱり曲づくりでも斜めに切り込んでくるミッケの神出鬼没・自由奔放なヴィオラヴィオラの音がわらわらと立ち上がってくる、繊細で厳粛なラストのYokoが私はとても好き)、ローゲルのメランコリックで繊細な曲と錘りのように確実に音楽を支えるギター、それからByss-CalleやViksta-Lasseのトラッド系の曲はとにかく弾くのも聴くのも楽しく幸せで、つい笑みがこぼれてしまう。今回の新作はヴェーセン結成20周年記念ということで、背筋を伸ばした敬虔な印象もあって、――いや、きりがないから今日はもう止めよう。何か食べないと来週が保たない。