ヴェーセン、ヴェーセン!(すみだ&鎌倉編)

coalbiters2009-05-01

○4月23日、木曜日。父親が入院して手術するというので有休を取るも、順調に済んで午後4時過ぎには帰宅。以前チケットを譲ったコンサートに当日券で入ることにして、錦糸町すみだトリフォニーホールへ。スウェーデンのトラッド・バンド、ヴェーセンの公演。空間が共鳴するというか、とても強靱な音と豊潤な響きは相変わらず。今度出るというアルバムからの新作や近作は構成のクールさでみせ、定番の曲はこれまでにもまして即興部分を引っぱる、引っぱる。特にウーロフのニッケルハルパの言葉尻、というか音尻?をとらえて際限なくジョークに持ち込んでしまうミカエルのヴィオラは、もう悪魔みたいに冴え渡っていた。
○4月25日、土曜日。「今日は家でのんびりと」という天気予報の忠告をさっくり無視して渋谷へ。シネマライズクストリッツァの新作を見る。その後、次第に強くなりまさる雨にも負けず、鎌倉へ。ヴェーセンがお寺で演奏するというので追っかけである。木曜日の公演時に整理券をもらってびっくりしたのだが、何と建長寺なのであった。その法堂が特別公開されていて、千手観音に奉納演奏してからコンサート。仏前ということもあってか、緻密さと情緒を前面に出した演奏だった。丁度ヴィオラのミカエルの真横の席だったので、ひたすらヴィオラの動きを追っていた。こんなかっこいいことやっていたのか!と今更しびれた。主旋律のニッケルハルパ、リズムのギターの音に切り込む角度の適切さ、そこから引き出して来る自分の音の予想のつかなさ、ヴェーセンの音の現代性をそれとしてスタイリッシュにデザインしているのはミッケなのかもと思った。
いじり倒すアンコールの定番Kapten Kapsylは今日もそこまでやるかという位に引っ張って、とうとう「雨に歌えば」にまで化けてしまった。脱帽。濡れ鼠の身に寒さは半端でなく、あやうく鎌倉で遭難しそうになったが、何とか帰宅して風呂につかって息を吹き返す。さあ明日は川越だ。